2023/10/1

基礎の基礎

まもなく世界のメゾソプラノ Vesselina Kasarovaが来日いたします。彼女はもともと ピアニストであり、歌手の伴奏に携わる機会が増え、「歌手はなぜ声の響きが体調によって左右されるのか... 」
そこに面白さを感じた...とインタビューで答えていました。
 
彼女はデビュー当時 ベルカント、バロックを主軸にしており、
ピアノの基礎があってこそ、声をコントロールすることができる...昨年のリサイタルで答えていました。
 
オペラ歌手の中では、最初はヴァイオリニスト、トランペット・ファゴット奏者から声楽に転向し、見事世界のオペラ歌手として成功する方もいらっしゃいます。器楽と声楽は共通点が非常に多く、声楽の勉強が例え人より遅くても、音楽の基礎がしっかりと固まっていれば、うまく声楽に転向することが可能です。
 
 
歌を学ぶうちに....忘れがちな、基本。基本とは一体何か、歌を歌う上で決して外せない基礎とは何か。
一度考えていただきたいと思います。
そして、その基礎がしっかりと根付かないうちに、難易度の高いオペラを歌っても、一流音楽家には、誤魔化すことができません。
 
 
また、本当のことを伝える教師に出会ってください。
これが全てです。素晴らしい先生に出会うのは、宝くじを当てる以上に難しい。
 
 
ただ気持ち良い美辞麗句を並べても、結局のところ基本がなく終わってしまいます。
歌こそ、教えることに、非常に責任を持たなければならならないのです。目に見えない世界でたった一つの楽器をどのようにコントロールするのか、骨格、筋肉、文化、性質、全てが異なる上で、
もう一度歌を教えることについて、考え直さなければならないと思います。
 
 
 
決して気合いや、説教で歌は上手くなりませんから。
カサロヴァに本当のことを語っていただこうと思います。