2025/2/15

伴奏者に求められる専門性

現在、バーゼル国際ピアノ伴奏コンクール2025のエントリー中のため、伴奏について深く考える日々を過ごしております。このコンクールを開催するにあたり、ピアノ伴奏の専門性を高めることと、研究する分野であることを再認識するために創設いたしました。
 
ピアノ伴奏という職業にも、色々なレベルと専門性が大きく分かれていることをご存知でしょうか。耳の良い方であれば、一音でその音がどのベクトルに向いて音を出しているか気づくはずです。
声楽の伴奏を弾くのであれば、オペラの場合ですとオーケストレーションを深く理解し、ボーカルスコアの伴奏をまるでオーケストラを彷彿とさせるように伴奏を弾くことが求められます。コレペティトールとして位置づけられるピアノ伴奏者は、指揮者と同じレベルにあたり、伴奏を弾く中でも最も格式高さを持っています。
残念ながらコレペティトールの域まで達して伴奏を弾いていらっしゃる方は、大勢はいません。大変貴重であり世界においても共通するところです。
 
歌曲の伴奏ですと、ドイツ歌曲の場合は伴奏という感覚ではなくピアノソロの感覚を持ち合わせながらも、詩人の背景をテキストから読み込み、極限まで作曲家が意図する音を再現する芸術が求められます。膨大にある歌曲の傑作を弾くには、日々研鑽を積まなければなりません。
 
よくありがちなオールジャンルが弾けることは、様々なコンサートで重宝されます。しかし専門性に欠けるところが垣間見えてしまうのが課題です。
私たちが求めるのはオールジャンルを弾きこなす伴奏者ではなく、この分野を弾かせたら右に出るものはいない...そんなプロフェッショナルな伴奏者を発掘していきたいと思っております。
 
伴奏者を選ぶ際に必要なことは情ではなく、仕事としてクールに見極めましょう。
貴方の演奏を輝かせるには、クールな判断が必要です。
決してお友達だから...長年お願いしているから....という繋がりに固執するのではなく
一緒に良い演奏を作りたい、一緒に作品を奏でる喜びを分かち合う本物のピアニストを探してください。
 
なかなか良い伴奏ピアニストが見つからない方には、素敵な伴奏者さんをご紹介いたします。
 
 
 
 
 
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