2025/1/19

強弱記号の本当の意味

強弱記号... フォルテ、ピアノなど
強弱標語...楽譜で音の強弱およびその変化を指示する語
 
大辞泉にはこのように掲載されていますが、それは物理的な側面のみによる強弱標語であり、そこには常に感情が伴っていることをお忘れなく。
なんだそんなことは知っている...しかし、どこまで深く分析しその音を表現するべきか、意外と考えるまでに至らない、構築できていないことが多々見受けられます。
毎回指導の中で驚かれることがあります。喜怒哀楽、フォルテは喜びの音である場合、フォルテの中でも1から10まで強さがあるとしたらどれぐらいの強さであるのか、強い音イコール叩く音ではない。怒りや苦しみを表現するフォルテ、恋人とつながる一つにつながるようなフォルテ、神から与えられる恵のフォルテ、現生または過去のどこに立っているのか、その強弱標語からはありとあらゆる感情を読み取ることができるのです。
 
作曲家が意図的に書いている言葉を調べもせず、ただ弾いていらっしゃる方に遭遇したこともありましたが、どうやってこの曲を演奏したいのか、よくよく考えれば自ずと楽譜を隅々と読みこみ、演奏家に対するリスペクトが生まれるでしょう。
 
数ヶ月前に、バタフライの指導に入ったことがありましたが、あるピアニストにこのオペラを何回観たことがありますか、伺ったところ、「1回見ました。」お答えになりました。
仮に一回だけ見たとしましょう。しかし、プッチーニがどのようなオーケストレーションで作曲しているのか読み取る、スコアリーデイング能力が必要です。必要不可欠の作業です。
日本ではまだまだ伴奏者は育っても、コレペティトールが育つ文化や環境が少ないため、
楽譜から読み取る力を養っていただきたいものですし、まだそこまでに経験もない段階で、プロの伴奏者として名乗り、お金を取ることは早いと思います。
 
急がば回れ... 正しく取り繕って早く到着しようとて、それは叶いません。
本質的に修行した方には敵わないのです。
日々、謙虚に音と向き合う努力をしたものが、オファーにつながります。
 
最新記事
月別アーカイブ
 
    


   ス イ ス 式 発 声 法 研 究 会
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
               
                
 
掲載記事・写真の転載は禁止